ミシュラン2017に先駆けて発表されたビブグルマン。
中でもTokyoTableTripが一番気になるのは、そのラーメン店の顔ぶれだ。
チェックしてみたところ、2017年版で新たに登場したラーメン店は全部で6店。
今後一気に注目度が高まるであろう話題のラーメン店達を早速こちらでご紹介しよう。

東京のラーメン通たちから厚い支持を集める超実力店。今回のビブグルマンは間違いなく遅すぎた選定と言えるだろう。料亭、イタリア料理屋等で約20年間修業を積んだ後、ラーメン店をオープンした店主の懐の深さは間違いなく東京一。四季折々旬の食材を使った創造性溢れる限定ラーメンを求めて秋葉原にあるお店には毎日長蛇の列が出来る。勿論定番の塩ラーメンも超絶美味。今年6月にリニューアルした、黄金色のスープが輝く「新生塩ラーメン」も大変好評で、11月に発刊した業界最高権威のラーメン雑誌では、塩ラーメン部門2016年最高の一杯に選ばれている。

2013年に東京ラーメン界の新人王に輝いた「らぁ麺 やまぐち」の二号店。透き通った旨み溢れるスープが特徴の醤油ラーメンを作り上げた店主山口の次なる作品は意外や意外、花椒をたっぷりと用いたスパイシーな「汁なし」タイプだった。口に入れた途端、唐辛子と花椒の刺激的な香りが鼻を抜けるラーメンは中毒性が高く、リピーター続出とのこと。
卓上に花椒が用意されていて、物足りない人は自分で追加できるのもポイント高し。
汁なしラーメンばかりがもてはやされがちだが、TokyoTableTrip的には同店の「塩ラーメン」もおススメ。

「ラーメンはあくまで麺を楽しむ料理である」という店主のこだわりのもと、注文を受けた後、粉から麺を打ち始める、というラーメン業界初の取組みを始め、大いに話題となった一店。実力、話題性から考えて、ここも昨年時点で選ばれているべき一店だったと言えるだろう。口の中で躍動する打ち立ての麺は評判通りの旨さ。麺ばかりが注目されがちだが、ほのかな苦みと酸味な備えた煮干しスープも負けない存在感を発揮している。

東十条の超人気のラーメン店「麺処ほん田」で修業した店主が池袋の地でオープンした新店。
味の「厚み」「複雑さ」を重視するこちらの店主、なんとスープに果物まで用いているのだとか。そんなスープは分厚い旨みを備えつつも、意外に円やかな仕上がり。仕上げに用いる鯛の油が良いアクセントになっている。こちらのお店で何より感心するのがトッピングの美味さ。煮卵、焼き豚共に超ハイレベルな味に仕上げられている。高いスキルを持ち合わせた店主が今後どんなラーメンを作り上げていくのか？目が離せない一店だ。

正統派醤油ラーメンが人気の実力店。店主は、今は亡き「醤油ラーメンの神様」佐野実氏の下で修業を積んでおり、その経験・実力は折り紙付きだ。鶏と少量の豚骨で作られるスープはバランス良好、最初はややあっさりに感じられるが、飲み進める毎に深みが増していく。強烈な個性がある訳ではないが、上品かつ高品質なラーメンで、幅広い層に受け入れられるのも納得だ。

最もサプライジングなセレクトとなったのがこの「一福」。味噌ラーメンをこよなく愛する女性店主が約20年間、地元の人々に愛されつつ営んできたラーメン店だ。豚骨、鶏ガラをベースに作られるスープは極めて優しい仕上がりで、ラーメンというより濃いめの味噌汁のよう。隠し味として加えられた酒粕の効果か、食べ進める事に体がぽかぽかに。
庶民的な良店ではあるけど、ここを目指してわざわざ足を運ぶ、というお店ではないかな。